“because the night.ep” liner notes

夜眠る前、ベッドのなかでその日あったごく些細なことを思いだすゲームにはまってる。


たとえば朝、つめの長さをどこまで切るか決めて切ったこと、切る過程で目に見えた部屋の雑多なもののことや(わたしの部屋はものがたくさんある)、駅に行く道の途中にあるスーパーマーケットに寄ったら ハロウィンを意識しすぎてへんな雰囲気になってたことや(入り口ではすごくチープな、お化け屋敷のBGMみたいな曲が流れ、店員さんは皆一様におそろいのびよびよしたバネの先にかぼちゃや帽子のちいさいのが付いてるカチューシャを頭につけてる)。


けれどもまあやはり、なんとはなしに生活していてはほとんどの事は覚えきれないので、きれいなものを記憶にとどめようとすることが無意識に多くなる。


たとえば今日なんかは、教室のすこし前に座ってた女の子の髪にうつった光のこととか。この季節の夕方の光はオレンジ色に輪郭があってかがやいていて、とくによく目で追ってしまう。


こういう些細なことを思い出してから眠ることが、最近のくせになってる。

わたしたちの二作目のEP “because the night.ep” をこの間発売して、一曲目がremember という曲なので思い出したはなしでした。



1.remember


タイトルの通り、思い出 がテーマになってるんだと思う。じんくんは歌詞について多くは語らないので、こちらがひとつの気持ちをきめてそこに絞って歌うのですが、そういう昔のことを思い出してる男の子の気持ちで歌いました。


「あの時指に触れそうだった そんなことばかり思い出して」とあるけれど、そういうすこし熱を持ったような歌詞に対して勝手な映像をうかべて歌うことはすごく好き。


レコーディング中にコーラスを入れたいという意見が出たので、急遽じんくんと何十分かう~う~言いながら考えて録った。 ふたりで椅子に並んで壁に向かって歌って、へんなかんじだった。


けっこう重ねたりしていいかんじなのではないだろうかと思ったんだけど、できたものを聴いてみるとほかにもたくさんの音が鳴っていて、宝石箱を開けたようでした。


すごくおもしろい耳障りの曲であって、同時にメロディが今までバンドに無かったようなものになってると思う。なんだか海を感じる。海、あの静かにゆっくりひらけていく雰囲気、水がひとつの場所に向かってゆく壮大さみたいなもの。一曲目にふさわしい曲だと思います。



2.夜間飛行


これはgt.vo.川島がメインで歌っている曲。

それと、バンドを組もうってなって一番最初にじんくんから送られてきたオリジナル曲がこれだった。


弾き語りの時点で衝撃的なよさで、すぐに歌いたい!と思ってその日のうちにすべて覚えてしまった。そのくらい、一聴でいい曲だということです。


わたしだったらこんなロマンティックなこと書けるのかなと、当時じぶんで書いていた歌詞をバーっと見てちょっと落ち込んだな。


そのあと川島とじんくんとスタジオに入って、ハモリをどうにかして考えた。ピアノでメインの旋律をなぞりながら、歌ってて気持ちいいところを見つけていく作業を経て、あのハモリのメロディにたどりついた。ピアノを上手に弾けなくて、まずはなんどもメインのメロディを弾く練習しなくちゃいけなかった。とても効率の悪いやり方だったのかもしれないけど、あの作業でできた曲のハモリはどれもとてもお気に入り(大停電、hot coffeeなんかもそう)。



3.seashore sounds


これの入り方かっこいいですよね。夜間飛行からのつながりがとってもイカしてる。

インスト曲は初めてでしたが、映画の一場面で使われて欲しいようなそんな曲です。


これもでも、海の壮大さのみたいなものみたいなものをかんじるなと思っていたら今回のEPの裏テーマが「街と海と山」「イリノイ州」だということを聞いて納得した。



4.夜のジェットコースター


MVにもなっているこの曲は、弾き語りで送られてきた時からものすごく感動した曲。毎回感動しているけどこれは特にすごい。 歌詞も、それまでに聞いてたどの曲より物語性があって えらそうに言うとすっと入ってくる感じがしてすごい。


弾き語りの時点で曲の良さがバーンとあらわれていて、だからこそバンドアレンジするときになかなか苦戦した。いそやんは特にドラムのリズムがむずかしそうだった。


MVはミニシアターを借りて、ちゃんとヘアメイクもお願いして撮影してもらったんですが、みんな、慣れていないので顔とか体とか、こわばってしまって、確認したときあまりにもぎこちなくて笑っちゃった。しぜんに映れるようになれるといいな。


レックではサビのメロディがなかなかに難しくってうた入れが心配だったんだけどそんなに手こずることもなく意外とよく録れた。落ちサビですこし声がかすれてる部分があるんですが、それはZZこと外村さんとたけしさんの二人と、エンジニアの前田さんの満場一致でそのテイクになったのでした。おもしろかった〜。



5.夢で逢えたら


聴いていただければわかるのですが、とにかく高くって、非常に気を遣わないとうまくうたえない曲です。


それでもレック中はけっこう集中できていたせいか、じぶんではもうどうやったのか分からないし一生おなじようには歌えないかもしれないなと思えるテイクが出た気がしています。


この前、川島とふたりではじめて弾き語りをしたときにライブでは初披露したんだけど、今後はたしてライブで披露するのでしょうか。


歌詞についてはさいごの「たとえば朝になって目覚めてみても またいつも通りふりだしに戻る それでも思い出してしまうような夜が 迎えに来るとき たまらなくなって 夢で逢えた

らなんて 本気で思っているんだよ」 が最高です。切ない。



6.夜ふかし


EPの最後にもってこいのフィナーレ曲です。これをうたっていると、じぶんがじぶんではないような、いい意味で別のひとになれたような感覚になることが時々ある。その感覚もけっこうすきで、なりきってしまうと途端にたのしい。


「夜ふかし」というタイトルがそもそもすき。いけないことしている感じ、ちょっと茶目っ気のあるキュートさがたまらない。


下北沢モナレコードのコンピレーションアルバムにも入れて頂いてます。それとはすこしアレンジが違うのでよかったら聴き比べてみてください。


今回のEPではあたらしいことにたくさん挑戦して、わたしはデザインを渋谷に手伝っても

らっていろいろ描いてみたり(ほとんどの作業はやってもらった)、歌詞カードにこだわって作ってみたり(これは本当に骨の折れる作業だったけれどどうしてもカード形式にしたかった)、そういうことも本当にたのしかった。


一曲一曲、アレンジなどにかける時間がたくさんあったので多分メンバーみんな満足のいく出来になっていると思う。


1st EPのときとはまた違った一面をみせられているといいです。アルバムとしての物語性も増しているので、一本映画を見終わったような気持ちになってもらえたらうれしいです。


それでは、"because the night.ep"をどうぞよろしくお願いします。


vo.tamb.井上花月

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